鉄道を救う!「症例ファイル」

電車はさまざまな部品や環境設備がなくては走ることができません。
その部品や設備は走るたびに削れたり古くなったりして、新しく取り替えなければいけなくなる事例がたくさんあります。

このページでは電車を問題なく動かすために必要な鉄道メンテナンスの事例を、鉄道の「症例ファイル」としてまとめました!
紹介する事例はほんの一部ですが、少しでも私たちの仕事イメージ持っていただけると嬉しいです!

鉄道を救う!「症例ファイル」
01 Case

ホームドアの設置による
安全性の向上

設置前設置後

設置前

設置後

ホームドアの必要性

<担当する部署>電気部 <担当する部署>
電気部
駅のホームドアは、ホームの安全性向上において非常に重要な役割を果たしています。現在、国土交通省より、新しくできる駅はホームドアの義務化、また1日の乗降客が10万人以上の駅には原則設置するよう指定されるなど、今後も需要のある分野になっています!また、ホームドアプロジェクトは計画・詳細設計から設置工事まで、約3年かかる駅もあり、多くの関係者と連携を取りながら進める必要があります。

+αの豆知識!

ホームドアの搬入

工事で設置するホームドアは、電車に積み込み設置場所まで運搬します。

ホームドアの搬入の写真

ホームドアの搬入の写真

02 Case

摩耗したトロリー線

古いトロリー線新しいトロリー線

古いトロリー線

古いトロリー線

新しいトロリー線

新しいトロリー線

トロリー線とは?

電車が走るために必要な電力を供給する、線路の上空に張られた電線のことです。
パンタグラフと直流1500Vが流れているトロリー線が接触することで、電車へ電気が供給されるため電車の動力源となっています!

トロリー線とは?

電車線の張替工事の必要性

<担当する部署>電気部 <担当する部署>
電気部
トロリー線はパンタグラフと接触することで擦れて削れていってしまいます。削れて古くなったトロリー線は張り替える必要があります。

+αの豆知識!

電車線の張替工事で使う「軌陸車」って?

軌陸車と呼ばれる、道路と線路の両方を走ることができる高所作業車両にて、線路に入り工事を行います!

軌陸車の写真

軌陸車の写真

軌陸車の写真

03 Case

摩耗したレール

摩擦した状態新しい状態

摩擦した状態

新しい状態

レール交換の必要性

<担当する部署>軌道部 <担当する部署>
軌道部
軌道の状態が悪化すると、列車が安全・安定に運行できなくなり、最悪の場合は脱線し乗客の生命にかかわります。だからこそ、鉄道事業者は定期検査を実施し、交換および補修のための計画を立て、工事を行う必要があるのです。

+αの豆知識!

レール交換工事には厳しい仕上り基準がある!?

軌間:
左右のレール幅の誤差(0~-3mm)
水準:
左右のレールの高さの違い(±2mm)
高低:
軌道の長手方向に対する縦方向のズレ(±3mm)
通り:
軌道の長手方向に対する横方向のズレ(±3mm)

使う道具

水準器(ゲージ):
正しい軌道の幅になっているか、水準器(ゲージ)を使用し確認します。
使う道具 使う道具
04 Case

車体の劣化した塗装

塗装前塗装後

塗装前

塗装後

塗装の必要性

<担当する部署>車両部 <担当する部署>
車両部
電車の車体は太陽光や風雨にさらされて塗装表面が劣化するため、定期的に塗装をし直し、美観や外観の向上を図る他、車体を保護する必要があります。ロマンスカーや一般車に色を塗るときは、専用ブースの中で塗装専用のロボットを使用して塗装を行っています。専用ロボットでも塗装することができない細かい部分については、人の手によって塗装しています。

+αの豆知識!

塗装のポイント!

車両全般について8年を超えない期間ごとに定期検査で塗装を行っています。塗装表面の傷の補修や汚れを除去した後、客窓のガラス面など塗料が付着しないよう、細心の注意を払いながら処置することがポイントです。

塗装作業は基本1色塗ると乾燥まで1日必要で、EXEαは2色なので作業日数も2日かかります。さらに、ロマンスカーは最終工程で光沢維持や塗装劣化を防ぐためのクリヤー塗料を使用しているため、実は他の車両よりも手間と時間がかかっているんです!

塗装のポイント!
05 Case

車輪の傷(フラット)

フラットがある状態削正後の状態

フラットがある状態

削正後の状態

車輪削正の必要性

<担当する部署>車両部 <担当する部署>
車両部
電車は長い期間レールの上を走行していると、車輪表面が波状に摩耗したり、急制動したりした際の衝撃で踏面の一部が削れて平らになり傷(フラット)が発生します。その傷は、走行時の騒音や振動の発生といった問題につながるため、定期的に電車の車輪踏面を削って適正な形状に戻すための車輪削正を行う必要があります。車輪の形状を適正に保つことは、安全走行や快適性を確保するためにとても重要なことなのです。

+αの豆知識!

作業のポイント!

1ヶ月間で行う車輪削正の業務計画が作成されており、その計画にのっとって1日2名で平均12軸~16軸(3両~4両)の車輪を削ります。大野総合車両所からの出庫時間を厳守しなければいけないため、早く正確に作業を進めることがポイントです!

06 Case

老朽化した駅のトイレ

改修前改修後

改修前

改修後

トイレ改修の必要性

<担当する部署>設計・コンサルティング部 <担当する部署>
設計・コンサルティング部
多摩センター駅のトイレは使用開始から約25年が経過し、老朽化が進んでいました。また、バリアフリー化対応やインバウンド対策として、和便器から洋便器への改修も必要とされていたことも、改修工事設計・実施設計・工事監理が決定した理由の1つです。工事終了後はしっかりと設計図通りの施工が行われたかなどの現地確認も行った上で、無事旅客トイレのリニューアルを完了することができました。不特定多数が使用するトイレは、改修され清潔感を保つことで、いたずら等の抑止にもつながり、駅のイメージアップにも寄与しています!

+αの豆知識!

設計のポイントとこだわり!

多様な利用者への配慮
多機能トイレ(オストメイト設備、ベビーベッド、車椅子対応など)
ジェンダーレス対応や子供を連れたお父さんのための男女共用トイレ
視認性
だれにでも分かりやすいトイレサイン
駅全体の動線、改札・階段・エレベーターからのわかりやすさ
安全面
トイレ前の共用空間に死角を作らず、人目がある計画とし見通しの良い空間とする
緊急呼び出しボタンの設置など
デザイン
流行に左右されずに普遍性の高いデザインとする
メンテナンスが容易となる材料を選定する